WEB行動データを用いた顧客分析の特徴とメリット
マーケティング施策の計画・実行にあたって、外すことのできないプロセスが顧客分析です。自社にとっての顧客・顧客像の明確化のため、従来
・ユーザーインタビュー
・ソーシャルリスニング
・行動観察
…など様々な手法が取られることがあります。
WEB行動データを用いた顧客分析とは、自社の潜在的顧客がWEB上で示した行動結果をログデータとして全て収集し、分析することで顧客像の理解に繋げる手法です。
行動データによる分析が必要な背景
近年、ECサイトやITサービスの普及によって消費者の購買行動にも大きな変化が起こっています。ユーザーは購買プロセスにおける認知・興味・比較検討はもとより、最終的な購買までもをオンライン上で完結できてしまうことがごく当たり前になってきています。
そのような状態で企業が自社のチャネル(オウンドメディアや自社の店舗)のみで得られる顧客データでは、正確な顧客分析・ニーズやインサイトの把握が難しくなっていると言えるでしょう。
しかし逆にいえば、WEB行動データを用いた分析によって今まで得られなかった自社チャネル以外の場面での顧客の行動や心理変化を捉えられる可能性があるということです。
WEB行動データの仕組み
WEB行動データ(またはインターネット行動データ)とは、パーミッションを得たユーザー(モニターユーザー)が自身のWEB環境(PC、スマホ)で示したWEBの閲覧行動履歴を収集したデータです。
WEB行動データでは具体的に以下などの項目を取得できます。
・ユーザーのアクセス URL
・ユーザーのアクセスしたページタイトル
特定のサイトに対してアクセス解析を行う場合と異なりユーザーの日常的なサイト閲覧行動を競合・他社サイトまですべて含めた形で取得できるので、恣意性のない具体的な分析が可能です。
その他モニター登録時に取得される
・ユーザーの性別や年代
・家族構成や住居
などのデモグラフィックデータも全て紐づけられています。
WEB行動データを用いた分析例
WEB行動データによる分析では、取得できる閲覧URLなどの情報から派生して以下などの項目についても取得することができます。
・ユーザーの検索キーワードや検索行動
・大手ECサイトなどでの商品閲覧やカゴ入れなど
これにより例として
・ 『A というキーワードで検索を行ったユーザーがその後どのようなサイトを閲覧しているか』
・ 『Bというページを閲覧したユーザーがその後どのような検索を行っているか』
などの項目をセッション単位ではなくユーザー単位で長期間にわたって分析することで、
高単価商材の購入検討や、既存ブランドからのブランドスイッチなど、詳細なマーケティングシナリオ像の策定が可能です。
まとめ:WEB行動データ分析のメリットと応用
WEB行動データ分析は、消費行動がデジタル起点へと変化している現代においてより効果的な顧客分析の手法となってきています。
特にECサイトなどWEBで検討から購買までが完結する一連の行動についてユーザー毎の時系列に沿ってデータを取得・分析することは顧客のインサイト理解にとっても大きなメリットだと言えるでしょう。
データ分析後の応用(施策への活用)については、デジタル広告などオンライン施策への転化はもちろん、オフライン購買データなどへと連携させることで全てのマーケティング施策への活用も可能です。