6秒動画広告-YouTube bumper ads を使った海外キャンペーン事例

※「bumper/bump」というネーミングには、「ぶつかる」の意味の他、米国テレビ業界において番組コンテンツと広告の合間に流れる5秒程のショートフィルムのことを「Ad Bumpers」と呼んでいた背景もあるそうです。
動画広告の最新傾向に沿った短尺動画広告
YouTube bumper adsは、2016年5月頃よりYouTube上の動画広告で実装され始めた新しい広告フォーマットです。
それまで(YouTube以外のチャネルでも)15秒や30秒、もしくはそれ以上の長尺動画に対応したプリロール-スキップ有りのものが主流であったところ、bumper adsは6秒かつスキップ無しという特殊なフォーマットでした。
しかし今ではYouTube上で数多くのクライアントがbumper adsを利用した短尺の動画広告配信を行っており、WEB上での広告リーチの獲得や、若年層へのプロモーションに成功しています。
“ジェネレーションZに関する6つのトレンド 2016” を見ても分かる通り、デジタル社会に適応した若年層は、注意を持続可能な時間も8秒以下まで短縮されて来ているのです。
今回は、そんなYouTube bumper ads を活用して、動画広告キャンペーンを成功させた海外事例をご紹介します。
〜Libertaruabusn.org の場合〜
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クライアント: libertarianism.org
キャンペーンゴール:広告想起率(ad recall)やブランド認知度の拡大
結果:広告想起率 +357%、 ブランド認知度 +125%
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以下、キャンペーン背景・概要などをコチラより翻訳
キャンペーン実施の背景
「リバタリアニズム」というと、見聞きされることはあってもなかなかその意味までは理解されない概念かと思います。Libertarianisum.org は「自由」に関する理論や歴史、実践などの情報を発信しており、オリジナルな記事、Podcast、動画などのコンテンツを揃えたWEBサイトです。
彼らの課題はこれら豊富にある知見を、既に政治哲学に関心を持つ層や、リバタリアニズムの意味も分からない新規ユーザー層に届けることでした。限られた予算の中、幅広いオーディエンスにストーリーを伝える方法を探していました。
視聴者を惹き付けるためにYouTube bumepr ads を利用
Libertarianism.orgはエージェントから、6秒スキップ無しの新しいbumper adsを提案されました。YouTube上でのプレゼンスを高め、チャンネル登録者を増やし、サイトへと誘導することが狙いです。
Cato Instituteのマーケティングマネージャー Crystal Zhao氏は “政治的論説や思想に関するコンテンツに特化したサイトとして、YouTubeはぴったりの媒体だと思った”と語っています。
bumper ads はスキップ不可ですが、短い広告フォーマットです。Libertarianism.orgのシンプルなメッセージを伝達するためにはうってつけの媒体だったようです。
Red Edge(Libertarianizm.orgにbumper adsを提案した デジタルファーム)のBret Jacobsonによるコメント:
“動画にはよく知られているリバタリアンの人物画を使用し、人々にリバタリアニズムと自由についてより好奇心を持って貰いやすいようにしました。クリエイティブの中にはより遊び心を持たせた慣習的な表現のものもありました。”
キャンペーンではいくつか異なる広告パターンを出し分け、どれが最もユーザーのサイト誘導率が高かったのかを計測しました。
その他、政治的論説に関心がある層に対するオーディエンスターゲティングや、一度YouTubeチャンネル上で動画を見たユーザーへのリマーケティングなどの施策も行いました。
グーグルの Brand Lift 調査で広告想起率+357%を記録
この広告キャンペーン効果を正確に素早く計測するために使用されたのが、グーグルのブランドリフト調査サービスです。
それによると、YouTube広告がもたらした直接的な効果だけで、広告想起率+357%、ブランド認知度+125%の成果を出し、さらにキャンペーン中のWEBサイトのトラフィックは14%もアップしました。
Zahaoはこれを受け「最小限の予算でブランドリフトに関する深い知見を得られました。bumper 以外にポピュラーな6秒スキップ無しの配信が可能なネットワークを私は知りません」とコメントしています。
#出展:https://www.thinkwithgoogle.com/case-studies/libertarianism-org-spreads-brand-awareness-with-youtube-bumper-ads.html より翻訳・抜粋
まとめ:短尺動画広告、効果的な活用のヒント
6秒という短い動画尺でメッセージが伝わるのか?という心配はbumper adsを実施する場合の懸念点としてありました。
ですが、政治団体など情報量の多いブランドであってもあえて短いメッセージ(本事例では「 WHAT IS LIBERTARIANISM 」)のみを入り口に打ち出すことで中程度〜無関心層の好奇心を刺激するような狙いも可能なフォーマットであることが分かりました。
bumper ads は短尺な分、接触回数や頻度などリーチを積みますことが可能なメニューであり、それによってリターゲティングやクリエイティブの出し分けなど運用面での改善施策も展開しやすくなっているようです。