動画×インフルエンサーマーケティングの今〜若年ユーザーへのアプローチ方法〜
セミナー概要:
開催日:2017年10月26日 @株式会社オムニバス
セミナー内容:「動画×インフルエンサーマーケティングの今〜若年ユーザーへのアプローチ方法〜」
登壇者:株式会社BitStar マーケティングディレクター 高尾 啓人
インフルエンサーの業界動向
高尾:株式会社BitStarの高尾です、宜しくお願いします。まず動画×インフルエンサーの業界動向ですが、まず動画広告自体で4年後の2020年頃には約2000億円くらいの市場になってくると予想されています。その内訳には広告フォーマットによってインフィードなど色々あると思いますが、そのうちインフルエンサーマーケティングの割合が今後ますます増えて来ると弊社では考えております。ご存知の通り4マスからオンラインデバイスへの移行に伴い、若年層の80%がインターネットで日常的に動画を観ているという時代、調査によると10代のコミュニケーションツール3種の神器がLINE、twitter、YouTubeになっていて、YouTubeはかなり大きいチャネルになってきています。
では実際にインフルエンサーとは何かという話では、一般的には『インターネットの消費者発信メディアにおいて、他の消費者に大きな影響を与える人』、または『自分で影響力があってどんどん人を巻き込むことができる人』と解釈できます。
最近ではもともとテレビで活躍していた芸能人やアイドルの方がSNSを利用して自分で情報発信を行うケースも多くありますし、逆にSNSでの情報発信から出発して、今やテレビで有名なタレントに劣らない人気を持つようになったネット発のインフルエンサーも多く誕生しています。こうした方々は自力でtwitterのフォロワーが10万越えたりとか、YouTubeの再生回数が10万を超えるようになってくると、もはやその人自身がメディアみたいな活動ができるようになってくるので、「インフルエンサーがメディアを持つ」という考え方に思考を変えながらプランニングすると、スムーズに消費者とコミュニケーションが取れるのかなと思います。
最近の調査で将来の夢を中学生に聞いたところ、なんと男子回答の3位にYouTuberがランキングするなど、驚くほど若年層から認知された職業になっています。他にも大手出版社からYouTuberの専門誌を発行されたり、YouTuber専門学校ができたり。海外だと日本でいうヒカキンのような人気YouTuberがテレビ局に28億円で買収されるような事態が起こっているので、今後日本でも同じ動きが出てくるかもしれません。
我々 BitStarでも今YouTuberのレギュラー番組「エンタ X」を地上波でやっていて、弊社のYouTuberプロダクション「E-DGE」のメンバーも登場するなど、結構マスとデジタルの融合がコンテンツサイドからも加速してきていると感じています。
Instagramの特色、新しい検索
続いてInstagramについてですが、先程twitterとLINEとYouTubeが若者の三種の神器だというお話をさせていただいたように、若年層の女性にはLINEとインスタグラムが本当に右手と左手みたいな勢いで浸透していて、月間のアクティブユーザー数は日本だけで2000万人超と、マス並みの規模のプラットフォームになってきているので、若い女性とコミュニケーションとるならLINEとインスタグラムは必須のチャネルになってきているかなと思います。
またInstagramのような比較的新しいコミュニケーションツールがもたらす変化として情報を探す時の「検索行動」があります。例えば何か情報を手に入れるときにはこれまでGoogleの検索で自発的に検索するんですけど、今の若年層たちはそれをせずにインスタグラムの中で商品の画像からハッシュタグを辿って購買に行きつくといった購買行動をとりますので、もう検索をしない、そういう行動を取らない人が一定数出てきていることは広告プランニングの際にも意識してするべきかと思います。つまり、より理解や共感をキーワードに、ユーザーのSNS上でのテンションに刺さるようなコミュニケーションを活用するプロモーションが必要になってきていると思っています。
例えばある旅行会社様から頂いた最近のデータで、京都のパックツアーの売り上げが去年と比較して倍増したらしんですね。なぜでしょうか?それは、非日常体験をインスタグラムに投稿したいニーズのある若い女性を対象に、レンタルで着物を着て歩く清水寺や京都の街並みが、観光というよりもむしろ、SNS映えする撮影スポットとして非常に人気が増えているということでした。
またインスタグラムなどSNSのひとつの特徴としては、インフルエンサーのリアルな生活の一部が見れるメディアということがあり、必ずしもすごく有名な人じゃなくても、マイクロな影響力のあるような身近なインフルエンサーみたいな人たちがかなり活躍しやすい環境かなと思っています。例えば表参道にある美容院の副店長、みたいなポジションの人がSNSで2000人くらいフォロワーがいて、そのファンはその副店長さんと非常に深く繋がっていて、彼女のライフスタイルを見て私も洋服を買おう、という風に態度変容や行動を喚起しやすい状態だと言えます。
その際、マイクロなインフルエンサーを何人も起用して運用コストが上がって面倒くさいというような想定も、程よいバランスやコミュニケーションの設計、そして弊社のようなインフルエンサーマッチングのプラットフォームを活用頂くことによって解決できるのではないかと考えています。
動画×インフルエンサーマーケティングにおけるテクノロジーを活用した分析方法
BitStarでは、先ほどお話したようなインフルエンサーマーケティングの属人的な領域(キャスティングやプランニング)にもちゃんと定量と定性のデータでアプローチしましょうという考えより『インフルエンサーマーケティングを科学するツール』として「Influencer Power Ranking」というサービスを先日リリースさせていただきました。機能としては今伸びてきているインフルエンサーをサーチするなど分析面はもちろん、どういうYouTuber起用してどの程度のクリック率・エンゲージメントがあったというところも定量でとれるような仕組みも実装予定です。
実際に取得できるデータとしては、インフルエンサーの比較、PV、エンゲージメントみたいなところなんですけど、プロモーション案件の実績を見る案件解析みたいなところに踏み込んでいる会社さんはまだ少なくて、実際にアプリじゃなくても概要欄からのクリック、URLを仕込めると思うのでそこからどれだけLPに遷移したかとか、どのサービス、どのインフルエンサー、どの企画、この3点のスイッチでどういう効果があるか分析していくとYouTubeマーケティングの勝ちパターンが見えてくると思うので、そこを中心にいろんなPDCAを回していくと、価値の高いソリューションになるのではないかと考えています。
実際にα版では某ゲーム会社さんにご利用いただいて、Influencer Power Rankingを活用して今伸びているYouTuberさんで若者の認知が良さそうなのでどうですかみたいな、ゲームと相性がよくなくてもターゲット属性が合いそうな人をプランニングツールから出してご提案させていただいたんですね。そうすると、実際に効果がよかったチャンネルも何件かあったりして、定量と定性データの掛け合わせることでより価値のあるプランニングやPDCAサイクルを推進していっています。
また効果の計測面でいうと、ある旅行会社さんの事例でキャンペーンLPにYouTuber動画をエンベッドしてやらせていただいたところ、デイリーのPVもYouTuber経由で7倍になって、で滞在率も3倍になって、コンバージョンもでる、という良い結果に繋がりました。ここでいうコンバージョンは、WEBからのパックツアーの申し込みですね。こういったLPつきYouTuberプランニングは、新規獲得などのCVももちろん、オールデバイスでの滞在率向上にもかなり効果の出やすい領域だったりするのでぜひご検討いただけると嬉しいなというところです。
最後に弊社のご紹介なんですが、スマホ時代のインフルエンサーをマッチングしているプラットフォームを運営している会社で、基本的にはこういったプラットフォーム、そして先ほどの分析ツールなどのテクノロジーの上にPR事業、ファンビジネス、イベント運営などを提供している会社です。はい、以上です。ありがとうございました。
第二部:パネルディスカッション
藤本:高尾さん、講演ありがとうございました。弊社も広告事業で何年も前からYouTubeというメディアを扱ったことがあったんですけども、広告メディアとしてではなくて、動画コンテンツをアップする場所、ユーザーとコミュニケーションする場所として見たときに結構様子が違ってくるなというところが非常に面白いなと思いました。ここからはいくつか質問を投げさせていただきながら、お話しさせていただければなと思います。
YouTuber活用はどのような業種で広がっている?
高尾:やはり若年層が購買意識しやすい商材であれば何でも来いという感じではあるんですが、特にゲーム、アプリ会社さんではかなり活用が進んでいます。SDKを組み込んでインストール後の購買まで計測したり、アドネットワークと並列でYouTuberキャンペーンのPDCAを回しているような会社さんもあります。難しいのは車などの高単価商材、ハイクラス商材ですけども、例えばアルバイトなど、若者向けで低〜中程度の関与商材は可能性があると思っています。
藤本:それはやはりYouTube動画というフォーマットと商材の相性というところなんですか?
高尾:フォーマットというか文化みたいなところなんですが、僕のイメージだとtwitterとYouTubeはユーザー特性が文化として近いかなと思っていて、若者の中でもLINEは中立、Facebookは意識高い系と別れていたりしていて、割と普通の若い子が使うようなアルバイトとかジュースとかガムみたいなものはすごく相性がいいのかなと。
各インフルエンサープロダクションはどこに違いがある?
藤本:これについてはマッピング画像をご用意いただきました。
高尾:僕たちが今考えているところで行くと、法人と接しているのはPR会社さんで、左側のインフルエンサー、タレント系と接しているのがタレント事務所みたいな整理の仕方。上下がITか非ITかで分けてみました。一時期PR系の会社を中心にインフルエンサーマーケティング、ブロガーマーケティングが推奨されていましたが、今は後ろ側のYouTuberやインスタグラマーの細かいディティールはキャッチアップしづらい構造になっていて、そこをYouTuberに特化したプロダクションがケアしているようなイメージです。PR業界の中でも、レガシーな会社さんよりは比較的新しいIT系のPR会社さんの方がインフルエンサー事業を積極的にやっているなという印象です。
藤本:御社が真ん中に位置していますけども、どちらかというともっとIT系寄りでもいいかなと思ったんですが、なにか真ん中にされている理由ってあるんですか?
高尾:単純に今弊社事ではあるんですが、大きく分けて3種類の筋の人間がおりまして、IT系のベンチャーのスタートアップ系の人間だったりとか、もともとオスカーや吉本でマネジメントをしていたマネージャーの人たちが中に入っていたり、広告畑の人間がいたりするので、割とウェットなものも含めた色んなタイプのコミュニケーションをやれる人もいるよというということで、ちょっと中立的に書かせて貰っています。
各社ビジネスモデルの違いは?
藤本:あと、今年の大きなニュースのひとつで、YouTuberプロダクションのUUUMさんが上場されました。その時の決算資料を見てみると、YouTube動画広告=アドワーズ経由の売り上げが大半を占めていて、そのためか決算報告書の中で所属YouTuber数のみならず投稿動画本数、動画総再生回数などの数値が量を意識されてまとめられていました。このマッピングの中で、ビジネスモデルの違いっていうのもあるんでしょうか?
高尾:そうですね、いわゆる事務所系の会社でいくと、タイアップでお金をもらうというモデルではなくて、どちらかというとGoogleさんのアドワーズの収益からの売り上げの方が大きいのではないかと思います。逆に僕たちは最初の創業が、企業側のインフルエンサー活用の成長性などを事業機会として開始しましたので、法人向け案件が強くタイアップの売り上げが収益の8割から9割くらいなんじゃないかな、というのが現状です。
データを用いたYouTuberトレーニングとは?
藤本:先ほど御社のIPR(インフルエンサーパワーランキング)のご紹介がありましたが、それを使って実際に御社所属のYouTuberにどういった形でフィードバックしているんでしょうか?
高尾:例えばあるゲーム系アプリの法人案件だと、SDKで各動画からどれだけダウンロードが発生したのか、またそのユーザーはそこからどれだけゲームを起動したり、課金しているか、という数値が計測できるので、それらをインフルエンサーさんに伝えていたりします。中にはそのようなデータを受けて、よりダウンロードが促進されるように映像編集を工夫するなど前向きな方もいます。
ただYouTuberさんはクリエイター気質というかユーザー視点で考える人が多いので、あまりフィードバックを欲しがらないインフルエンサーもいたりします。そこは適宜彼らが求めるものを回答してあげるという形ですかね。
オーガニックで動画はどのくらい再生される?
藤本:この点が動画広告の配信と比較した時に異なる点かと思うんですけども、インフルエンサーマーケティングのキャンペーンを設計するとき基本はインフルエンサーが投稿した動画だったりのオーガニックの回数をカウントされるんですか?
高尾:僕たちのお仕事の仕方は基本純広モデルなんですが、CPV10円くらいに合わせたシミュレーションをしてお買い上げいただいていて、例えば6万再生くらいするYouTuberであれば、60万円でどうですかと下回らないような形で提案させていただくんですが、基本そのオーガニックで6万再生のうち9割くらいがYouTube経由、あとはtwitterで動画あげたよという流入のところがあったり、人によってはLINEのグループで入ってくる人もいますが、基本YouTubeのオーガニックで数万、数十万再生される人たちがメインにはなります。だいたい市場としてはCPV10円くらいで売買というか成立している感じですね。
藤本:動画広告との比較になると、インプ保証とか掲載保証とかあると思うんですけども、この場合何か保証できたりするものなのでしょうか?
高尾:そうですね、例えばその6万再生くらいしそうなので60万で買ってくださいとご提案した人は、結構10万再生いったりするんですよ。なので、ミニマム想定値のような金額でご提案させていただいているので実際保証のようになっています。極稀にですが想定値を下回った場合も例えばこちら側でtwitterを再度投稿して流入を担保したりとか、あとは事務所のほかのYouTuberとコラボさせて数字を担保させたりなど、弊社側で対応させて頂きます。基本は下回ったことはほぼないという感じですね。実質保証みたいな。
どのような指標をKPIとしておくことが多い?
藤本:さっきのオーガニックの再生回数と連動する部分があるんですけども、インフルエンサー系のキャンペーンだったりSNSを使ったキャンペーンってどうしてもバイラルとかバズを想定すると話がややこしくなるというか、複雑になるかなと思って、そのために事前にKPIを定めておく必要があると思うんですけど、どういった指標を置かれることが多いですか?
高尾:指標だけ言っちゃうと再生回数になってしまうんですが、僕はそこが本質的ではないと個人的には思っていて、ブランドを好きになってくれてファンになってくれる人たちをどう取り込むかという定量指標を作っていければ、そこが本来目指すべきKPIというものかなと思っています。ただやはり10万再生いきましたとか、100万再生いきましたというと社内的にも話しやすいというか、結構主流ですね。一部感度の高い会社さんとかだとエンゲージメント率を見てファンに対してポジティブなコメントがどのくらいあって、それをPOSデータと連携して、このくらいのタイミングでインフルエンサーマーケティングやったから確かに動いたぞ、とかフィードバックをくれる外資系の会社さんとかもあったりしますが、基本は再生数かと思います。
藤本:ちなみに再生数っていうその指標も何かとの比較、例えば前回もインフルエンサーをやったのであれば前回との比較、同時期に何かやっているんであれば横との比較になると思うんですけど、どこら辺の動画再生と比較して、何万回いきたいなとかいうハードルが決められていくんですかね?
高尾:各社結構ばらばらではあるんですけど、オムニバスさんも今YouTubeの動画を売られていると思うんですけど、基本そのコストパービューいくらくらいが妥当であり、かつコンテンツとメディアセットでその金額なら安くないですかという提案をしているので、割と既存の広告のCPVに合わせて比較していただいて、みなさんもそのロジックで社内を説得されているケースが多いかなという印象があります。
マッチするインフルエンサーのプランニング方法は?
藤本:続いてマッチするインフルエンサーのプランニングについてなんですが、やはりマイクロ〜ナノレベルのインフルエンサーになってくるとなかなか担当者さんも知らないケースが多くなって、疑問符から始まると思うんですけども、どういう風な形でインフルエンサーにこの人たちがいいですよとお出しして、最終的に決定する流れになるんでしょうか?
高尾:例えば法人案件でも代理店さん経由の場合、もう全体を設計していただいているので、こんな感じのYouTuberって投げていただいてそこに回答するという動きになります。あとはクライアントさんなどに直接提案するケースでは、インフルエンサーに関する定量と定性のデータを両方僕らは持っているので、「今このインフルエンサーのチャンネルはInfluencer Power Rankingでも伸びている人たちですよ」という定量の部分と、弊社のYouTuberマネージャーと呼ばれるチームがインフルエンサーと直接面談・テレカンするなどして、例えば「これだけやる気があります」「○○が大好きでこの商材とピッタリです」というような定性的な情報と、両方駆使してプランニングさせて頂くという感じですね。
藤本:かなりの数のインフルエンサーさんが所属されていたり、提携されていたりすると管理が大変かなと思いますがどうやって回されているんですか?
高尾:弊社がBitStarというインフルエンサーのプラットフォームとE-DGE(エッジ)というプロダクションとを提供していまして、BitStarの方では定期的にどういう案件をやりたいか等、全登録インフルエンサーにアンケート調査などを行なっていて、より深く何がやりたいか、どういうことで困っているかという面談もWEBベースで行なっています。一方E-DGEの事務所の方は担当マネージャーが一人一人について、がっつりと二人三脚でやっている感じですね。
コンテンツ制作のフローは?
藤本:続いてコンテンツ制作の流れについて、最初の依頼主であるクライアント様と、実際に動画を作るYouTuber、その2者間でどのくらいコミュニケーションを発生させているのか、あるいは発生しない方がいいのかということも含めてどういう流れがメイン何でしょうか?
高尾:広告ビジネスで考えるとブロガーマーケティングに非常に近いかなと思っていて、ブロガーマーケティングを仕切られたことがある方から見れば感覚がすごく近いと思うんですけど、全体の座組だけオリエンテーリングで決めていただいて、あとのディティール表現は彼らにお任せするみたいな方が。インフルエンサーはかなり視聴者を意識してコンテンツを上げている人たちなので、あんまりごりごり法人のメッセージを伝えすぎると、彼らの言う定義のつまんないコンテンツになってしまって結果的に再生数がいかなかったりとか、コメント数が減ったりするので、永遠のテーマなんですけどバランス、あまり仕切りすぎないということがポイントかなと思っています。
インフルエンサーキャンペーンの運用・改善方法は?
高尾:終わった後にはなっちゃうんですけど、例えばゲーム系の案件の場合、最初に20人くらいのインフルエンサーをゲームに限定せずいろんなジャンルから起用してみて、効果の良かった塊だけ残すんですね。そうしてまた次のタイミングで配信する。動画制作に比べてYouTuberの動画の生成って早い人だと2、3日で作っちゃったりするので、法人の動画を製作して投稿してYouTubeに流してというPDCAは3か月、もっとかかっちゃうかもしれないんですけど、YouTuberであればさくさくっとオーダーして次のシナリオからこっちねということができてしまったりするので、割とそんなにご迷惑かからないくらいでPDCA回るかなという感じですね。
藤本:パッケージ化された動画制作と比べて動画作成のコストはそんなに高くないということですね。
炎上(失敗)しないためにどうすればいいの?
藤本:最後に一番シンプルな質問になってしまうんですけども、インフルエンサーとかYouTuberのようにファン目線のクリエイターと案件を進めたときに、どうしても炎上してしまうリスクを考えてしまう人も多いと思うんですよね。そういった事態をどう避けていけばいいんでしょうか?
高尾:一言でいうと、倫理観…ニコニコ動画だったりtwitterだったりYouTubeにいる人たちって、ビジネスマンからするとえっと思うような行動をしちゃう人もいたりして、YouTuberも結構それに近い属性だったりするんですが、その人が普段ポップなこと、例えば車を燃やしちゃったりしているYouTuberさんが仮にトヨタさんのお仕事をして、車を燃やさなかったら逆に炎上しちゃうんですよね。普段やる方々が違うことをやるとYouTubeだと結構炎上する傾向にあるので、やらされているとか、普段は悪口ばっかり言っているYouTuberが急にタイアップ案件の時は急にお行儀がいいとかはすぐに炎上しちゃうので、その人達のキャラ、個性を考えて企業さんとマッチングするのが一番のポイントかなと思っています。
藤本:さっきの動画制作のプロセスの話にもなるんですけど、オリエンを一回投げて、わかったやるよといきなりアウトプットになってくると、炎上だったり、それを避ける場面がないと思うんですけど、途中でクッションはさんだりされるんですか?
高尾:一部、絶対やらないでねという禁止事項は事前に渡しているので、上がってきたところでこれはないでしょというところは修正出したりしているんですけど、雑誌のタイアップの進行をやられたことがある人はわかると思うんですけども、上がってきたらほぼ赤なんて入れても直してくれないじゃないですか、出版社さんとか。それに近い感じですかね。
会場質疑応答
質問者:エンドユーザーがどの程度このビジネスモデルを理解した上でこのYouTuberの動画を観ているのかというところが気になったんですけども、例えばPR動画を投稿したときに、ユーザーはどうせお金もらってるんだろという目線で見ているのか、それとも純粋にこの人おすすめしているなという目で観ているのか。
高尾:PR表示の明記を僕らはさせていただいているので、提供とかPRという表記は入れさせていただいているんですね。なので、見ればわかったりはするんですけど、結構YouTuberのファンってそのYouTuberに対してのロイヤリティが高いので、逆にタイアップ案件入っていない人に入ると「タイアップが入るようになった」「このYouTuberすごい」みたいな、インディーズバンドがフェスに出たような感じだったりするので、タイアップばかりやっている人はタイアップばかりだとなったりする人もいるんですけど、僕らが今接しているYouTuberさんのファンは、タイアップ入ってよかったね、有名になってよかったね、とそういう流れを感じることが多くなっています。
藤本:はい。というわけで、高尾さん、ありがとうございました。