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テクノロジーで”買い物”はどう変わる?〜リテール革命時代の顧客体験創造〜 後編

セミナー概要:

近年リテールテクノロジーの進化や決済環境の変化によって私たちの購買体験は大きく様変わりしようとしています。株式会社オムニバスでは、リテール革命時代における新しい顧客体験創造に関するセミナーを開催いたしました。

開催日:2017年9月8日 @渋谷

セミナー内容:「リテール×テクノロジーによる顧客体験の変化 〜流通・小売企業は今、何に取り組むべきか?〜」

登壇者:

オイシックスドット大地株式会社 執行役員 COCO 奥谷 孝司 様
大日本印刷株式会社 クリエイティブビジネス開発部部長 矢野 孝 様
株式会社クレディセゾン ネット事業部長 磯部 泰之 様
株式会社オムニバス 代表取締役 山本 章悟(モデレーター)


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ポイントプラットフォームの今後

オイシックスドット大地株式会社 奥谷孝司

奥谷:ポイントプログラムで悩むことが、結局お客さんとのCRMってポイントしかないのかということです。例えば100円払ってくれた人に1ポイント付与する、結局それって値引きをしているわけで、エコノミクス的にはよろしくはないのではないか。悩んでいる中で、最近僕が注目している新しいCRMでいきなりステーキさんのロイヤリティプログラムがいいなと。いきなりステーキさんのビジネスモデルって基本的にいいお肉を立ち食いなので、原価率が高い、だからお値引きなんてする余裕はないのに、こういったプログラムをやっている。

しかもこの肉マイレージプログラムの妙は、普通だったらお金を払ったことに対してマイルとかをつける(大事にする)んですけど、お肉を食べた量に対してマイルをつけているので、安いランクでも多くお肉を食べた人の方がランクがあがるんですよね。今年の2月にいきなりステーキさんがニューヨークにお店を出されて、向こうのお肉のグラムはオンス単位ですが、アプリはグラム単位にも関わらず、アメリカ人の人もランク上位に来たりして、それを可視化することで、国境を超えてこのアプリが広まっているのがすごく面白い。

僕も食の業界にいて思うのは、人間って1日3回3食で単純にいうと人は月に約100回食事するんですね。でも昨日何を食べたかすらあんまり覚えていないですよね。その忘れちゃうことを肉マイレージとして覚えさせる、今月こんなに食べちゃったとか。これからのマーケティングで大事なのは、使用・消費の可視化。普通のお店は食べてくれればいい、お金を払ってくれればいいんだけど、いきなりステーキは食べる体験を可視化している。そういうことの方がポイントよりも強い。ポイントプログラムではどうしてもディスカウントコマースになりがちなのが、金額ベースでなくお肉のグラム数ベースにするというちょっとしたやり方の違いだけで、お客さんに対してゲーム性とか体験を可視化してあげるということが、マーケッターとしてマーケティングの妙を感じて注目しているんですね。

 

各者が考える店舗・顧客体験の今後とは?

山本:そろそろ時間ということで、最後にスピーカーの皆さんに、ヒントというかお話がありましたけれども、お一人ずつ今後店舗での顧客体験の未来というものを提示いただいてですね、今日のセッションを締めたいなと思います。そこに対して提供できることとかも付け加えていただけると嬉しいです。

矢野:我々が店舗でなかなか取りにくいデータをどうやって取得するかということをいろいろ研究しているとをお話ししましたが、インプットとして商品データ、棚割りデータ、販促データ、広告データというものを流通の方で持っているとした場合、それにクレジットカードであったり、アプリであったりを経由して、顧客データが取れます。今度はその下にある店内行動データでどんなデータがとれるのかを考えたときに、店内の導線、あと棚前の導線、これは結構重要だと思っていまして、この広告があったからその棚に近づいたのか、アプリでプッシュがあったからそこに近づいたのか。先程のセンサーやビーコンを使って、そこを効果測定できるんじゃないかと思っています。もうひとつが閲覧。電子棚札の中にNECが埋め込まれているのが最近主流になってきています。そうすると、電子棚札上ではある商品情報と価格しかはいっていなかったとしても、自分のスマホを電子棚札にかざすとWEBにつながり、商品情報もより詳細にわかる。そういった情報をMAツールだったり、CMSを活用してアウトプットしていく所にセンサーの連携が必要になってくるので、GPSやWi-Fi、アプリ、カメラ、RFIDのリーダー、ビーコン、赤外線、こんなものがデータベースとつながることで、先程の普段取れているデータに加えてデジタルマーケティングができるんじゃないかと考えています。

 

山本:ありがとうございます。磯部さんお願いしいます。

 

磯部:USもそうですし、韓国もそうなんですけど、カード会社の役割が結構変わってきていて、特に僕らは小売り系流通系カード会社って言われているので、そうしなければいけないなと思っています。今までのカード会社が持っているデータを分析してどうのというよりは、小売りのデータ、POSのデータやレジ周りのデータ、在庫のデータを預かって、カード会社側がそれを併せて分析してそれに意味をつけて、小売り側と一緒にデータに基づいた顧客体験をどう設計するか一体になって考えるような動きが日本でも出来れば良いと思います。そうすることによって、ハードウェアやEC、オムニチャンネルといわれている在庫統合管理も含めて一気に変わっていくような気がするので、一つの会社でできることは限りがありますけど、いろんな会社様にご協力頂きながら、少しずつ形にしていければと思っています。

 

山本:ありがとうございます。奥谷さん、お願いします。

 

奥谷:店舗での買い物価値というのは、今の時代落ちていくと思うんですね。買い物という行為がポチることになってきているので。そこには危機感を持った方がいいです。ただ店舗の買い物がゼロになることは絶対にないと思います。人間は運動のためにも、ウィンドウショッピングや五感で感じたいというニーズがあるので店舗にはいくと思うんですね。ただし、今までのようにでかいお店である必要はなくなると思います。小型店であったりお店自体が動くような。

あるいはいっそ、テクノロジーの側からまず店舗を先に作って、箱を作る、躯体を作る。その上にステーキ売ってもいいし、洋服売ってもいい。そんなビジネスモデルをやり抜く小売業がでてきてほしいと思っています。ブランドがこういうコンセプトでこういう店を設計して、というのは20世紀型の競争戦略でしかない。でもIT技術だけだと1回目は楽しくても2回目以降は体験も普通になっちゃうから、常にいいブランドをのせて、このブランドかっこいい、現金もなくて店員もいないけど普通に買えるみたいな、なんか新しいサイネージ入っていて超いいみたいな、それをやる会社が早く出てきてくれると。そうじゃないとどんどんポチる人に負けるということです。

 

山本:ありがとうございます。セッション自体は以上なんですけども、私もモデレーターやらせていただいて、非常にいろんなテーマで面白かったなと感じています。では、スピーカーのお三方、ありがとうございました。

 

セミナーの最後にはクレディセゾン磯部様より、2017年4月に発表されました我々株式会社オムニバスの100%子会社化について、および株式会社ヴァリューズ様を含めた3社で今後取り組まれていくフィンテックとアドテクを掛け合わせた新しいデジタルマーケティングソリューションの創造について、プレゼンテーションして頂きました。

<当日資料.slideshare>

 

■—ゲスト紹介—■

奥谷 孝司 (おくたにたかし)

オイシックスドット大地株式会社執行役員
統合マーケティング部 部長 Chief Omni-Channel Officer
1997年良品計画入社。3年の店舗経験の後、取引先の商社に2年出向し独駐在。
2005年衣服雑貨部の衣料雑貨のカテゴリーマネージャー。
2010年WEB事業部長。「MUJI passport」のプロデュースで14年日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会の第2回WebグランプリのWeb人部門でWeb人大賞を受賞。

矢野 孝(やのたかし)

大日本印刷株式会社 情報イノベーション事業部 C&Iセンター ビジネスイノベーション本部 クリエイティブビジネス開発部 部長
1999年DNP入社。入社以来14年、大手流通・メーカーなどへのマーケティング・プロモーション・各種システム企画設計など、クライアント支援業務に従事後、2013年にマーケティングコミュニケーション企画部長に就任。2015年よりビジネスイノベーション本部にて新規事業開発の部長を担当し、現在、各種流通と実証実験を行いながら、新たな生活者接点を創出する店頭のデジタル化(Internet of Retail)などを推進している。

磯部 泰之(いそべやすゆき)

株式会社クレディセゾン ネット事業部長
1992年クレディセゾン入社。営業企画やDBマーケティング推進業務に従事後、銀行・百貨店・コンビニ等との合弁会社へ出向。その後経営企画部、広告宣伝部を経て、2011年よりネット事業部にてデータビジネス事業企画、ネットビジネスでの新規事業開発を担当。2017年3月 ネット事業部長(事業部統括)就任。株式会社セゾン・ベンチャーズ取締役を兼任。

 

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