アドブロック誕生から考える今後の広告のあり方
ユーザーを不快にさせてしまっている広告
私たちがオンライン上で行動をするうえで必ずしも遭遇する広告。最近は、バナーだけでなく音のなる動画広告やカウントダウン付きの広告などユーザーにとって不快で嫌われてしまうようなフォーマットのものも増えてきている現状があります。これはユーザーにとっても広告主にとってもよくない状態であるのは明らかです。
そんな不快な広告を表示させないためにできたものがアドブロックです。アドブロックはweb上で表示される広告をブロッキングするソフトウェアの機能のことを指します。googleでは今年の2月15日に標準でgoogle chromeの広告ブロック機能の有効化しました。アドブロックによりブロックされる広告というのは「Coalition for Better Ads」(googleやFacebook、そのほかにプラットフォームや広告主、メディアなどが参画する業界団体)が定めたBetter Ads Standardsに準拠しない広告を指します。
”Better Ads Standards”に準拠しないユーザーを不快にさせる広告
google chromeのアドブロック対象は具体的には以下のフォーマットです。
・ポップアップ広告
・点滅する広告
・音声付き自動再生動画広告
・カウントダウン付き広告
・スクロールに付随して同時に動く広告
・画面の占有率が30%を超える大型の広告
、、、、などなどユーザーの行動を邪魔する広告フォーマット12種類がBetter Ads Standardsに準拠しないものとみなされます。なお、上記のフォーマットはPCにおいてもモバイルにおいても適応されます。
今後の広告のあり方が問われる
Better Ads Standardsで定められているように現状問題視されているものには、2つの問題があると考えます。2つのハードルを越えてこそユーザーにメッセージを届けることができます。
1つ目は、まず広告との出会い方です。現在ブロックされている上記フォーマットの広告はユーザーが求めるコンテンツを妨げるという共通点があります。ユーザーが見たいものはその広告の先にあるコンテンツであり、そういった状況で広告に出会ってしまうと内容を見られるより先にweb上の行動を邪魔するものという意識がはたらいてしまうのも無理がありません。
そこで今後の広告に求められることは、自然な形でユーザーに拒絶されない接触であることと考えます。
そして2つ目は接触した後での話になりますが、広告のコンテンツの内容がユーザー視点であることです。適切なフォーマットで届けられた広告であっても内容が企業の一方的なメッセージであるとユーザーには届きません。そこで、広告のコンテンツの内容としてユーザー視点であり、見たい!と思わせるようなコンテンツである必要があります。
まとめ
現状のweb上の広告にはフォーマット、主張する内容の課題が見られます。企業は、Better Ads Standardsに即したフォーマットで、かつユーザー視点に立ったコンテンツを発信していく必要があります。
広告のこれからを考える上でぶつかるアドブロックの問題。ただ、あくまでアドブロックの目的は広告の排除ではないということは大前提になります。アドブロックの誕生によってユーザーにとっても企業にとってもより良い広告が生まれることが期待できます。アドブロックによる広告の規制によって、これからの広告はユーザーを不快にさせない自然な形での接触と、ユーザー視点に立った内容のコンテンツが求められるでしょう。