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アドテクノロジー

YouTube動画広告がスキップ不可を拡大。その理由と影響は

YouTubeにおける「スキップ不可」=いわゆる non-skippable な動画広告が拡大される見込みです。これまで一部のパートナーのみ利用可能だったフォーマットが、これから順次すべてのパートナーに向けて開放されるとのこと。

すでに日本でも複数メディアが報道しています。

参考:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1808/26/news017.html

これまでYouTubeの動画広告(TrueView広告)と言えば、スキップ可な配信フォーマットというのが特徴でした。ユーザーにとってはスキップボタンを押すまでの5秒さえ我慢をすれば良かったですし、広告を出稿する側のクライアントとしても、スキップされれば広告料は発生しない、つまり無駄な広告出費を抑えることができました。

ではなぜ今回YouTubeではスキップ不可の広告が拡大されることになったのでしょうか。それにはやはり「広告収入」が関係しているようです。

そもそも、今回この発表が行われたというソース(情報源は)下記の動画です。

タイトルを見れば、今回の発表はスキップ不可の動画広告の挿入によって広告収入を「得る」側のユーザーに向けたものであることが分かります。

言うまでもなくYouTubeという動画プラットフォームは様々なクリエイターからの動画コンテンツの投稿によって成り立っています。彼ら・彼女らの収益を安定させることは、YouTubeというプラットフォームの基盤を強化することにももちろん繋がるでしょう。

 

広告を”見る”ユーザーへの影響は?

それではふだん、YouTube、そして動画広告を「見る」側のユーザーは、15秒もの間、強制的に広告を視聴するしかないのでしょうか?これには、すべての動画広告挿入のうち、スキップ不可がどれ程の割合を占めるか、という点がポイントになりそうです。発表では8月23日以降、徐々にスキップ不可フォーマットを拡大するとのこと。ユーザービリティを保持するというYouTube側の観点からも、スキップ不可の動画広告ばかりが急に流れ始めることはないでしょうが、広告収入を高めたい動画クリエイター・常に新しい広告施策を欲している広告主・代理店がその配信フォーマットに飛びつく可能性はあります。

またあなたがYouTuberなどの動画をよく見る場合は、この広告フォーマットとよく出会うことになるかもしれません。YouTuberのミニ番組風のコンテンツは、特にミッドロール(動画の途中で流れる広告)でスキップ不可と相性が良いです。もし接触したら、クリエイターへの投げ銭だと思って受け入れてあげましょう。

他には、Bumper Ads という個別の広告フォーマットとの兼ね合いからも15秒スキップ不可の広告は PC環境での配信がメインと予想できます、なのでモバイルで全てのYouTube視聴を完了させることは有効かもしれません。

 

広告を”出す”企業への影響は?

先ほどもいったように新しい広告フォーマットということで、すぐ試してみたい方も多いでしょう。しかしここでもやはりユーザービリティ・ユーザー視点をもって広告の配信フォーマットは慎重に決定してみて下さい。スキップ不可の広告を出してみて、最初はその完全視聴率の高さに驚くかもしれません。が、実はそれは当たり前なことだとすぐに気づくでしょう。むしろ、それでも完全視聴しない(離脱する)ユーザーというのは、わずか15秒の間に、あなたの広告に「つまらなさ」はおろか、不快感、憤りまで感じさせてしまった可能性があるのです。そしてその時、広告費は変わらず請求されます(おそらく)。

つまりこれまでの「スキップ可」の広告配信と「スキップ不可」の広告配信とでは、狙うべき広告効果/動画視聴の”質”が異なることには注目するべきでしょう。そのための各キャンペーン・レポーティングでのKPIの見直し作業は、それほど簡単なことではありません。

動画視聴がさまざまなデバイスでポピュラーな行動になることで、WEB動画広告の視聴も、いわゆる「リーンフォワードとレイドバック」と呼ばれる2つの視聴態度が混在してきています。動画広告での訴求内容も加味して、適切なコミュニケーション設計を果たしたいですね。

 

 

6秒動画広告-YouTube bumper ads を使った海外キャンペーン事例


※「bumper/bump」というネーミングには、「ぶつかる」の意味の他、米国テレビ業界において番組コンテンツと広告の合間に流れる5秒程のショートフィルムのことを「Ad Bumpers」と呼んでいた背景もあるそうです。

 

動画広告の最新傾向に沿った短尺動画広告

YouTube bumper adsは、2016年5月頃よりYouTube上の動画広告で実装され始めた新しい広告フォーマットです。

それまで(YouTube以外のチャネルでも)15秒や30秒、もしくはそれ以上の長尺動画に対応したプリロール-スキップ有りのものが主流であったところ、bumper adsは6秒かつスキップ無しという特殊なフォーマットでした。

しかし今ではYouTube上で数多くのクライアントがbumper adsを利用した短尺の動画広告配信を行っており、WEB上での広告リーチの獲得や、若年層へのプロモーションに成功しています。

“ジェネレーションZに関する6つのトレンド 2016” を見ても分かる通り、デジタル社会に適応した若年層は、注意を持続可能な時間も8秒以下まで短縮されて来ているのです。

今回は、そんなYouTube bumper ads を活用して、動画広告キャンペーンを成功させた海外事例をご紹介します。

 

〜Libertaruabusn.org の場合〜

==================内容====================

クライアント: libertarianism.org

キャンペーンゴール:広告想起率(ad recall)やブランド認知度の拡大

結果:広告想起率 +357%、 ブランド認知度 +125%

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以下、キャンペーン背景・概要などをコチラより翻訳

 

キャンペーン実施の背景

「リバタリアニズム」というと、見聞きされることはあってもなかなかその意味までは理解されない概念かと思います。Libertarianisum.org  は「自由」に関する理論や歴史、実践などの情報を発信しており、オリジナルな記事、Podcast、動画などのコンテンツを揃えたWEBサイトです。

彼らの課題はこれら豊富にある知見を、既に政治哲学に関心を持つ層や、リバタリアニズムの意味も分からない新規ユーザー層に届けることでした。限られた予算の中、幅広いオーディエンスにストーリーを伝える方法を探していました。

 

視聴者を惹き付けるためにYouTube bumepr ads を利用

Libertarianism.orgはエージェントから、6秒スキップ無しの新しいbumper adsを提案されました。YouTube上でのプレゼンスを高め、チャンネル登録者を増やし、サイトへと誘導することが狙いです。

Cato Instituteのマーケティングマネージャー Crystal Zhao氏は “政治的論説や思想に関するコンテンツに特化したサイトとして、YouTubeはぴったりの媒体だと思った”と語っています。

bumper ads はスキップ不可ですが、短い広告フォーマットです。Libertarianism.orgのシンプルなメッセージを伝達するためにはうってつけの媒体だったようです。

Red Edge(Libertarianizm.orgにbumper adsを提案した デジタルファーム)のBret Jacobsonによるコメント:
“動画にはよく知られているリバタリアンの人物画を使用し、人々にリバタリアニズムと自由についてより好奇心を持って貰いやすいようにしました。クリエイティブの中にはより遊び心を持たせた慣習的な表現のものもありました。”

キャンペーンではいくつか異なる広告パターンを出し分け、どれが最もユーザーのサイト誘導率が高かったのかを計測しました。
その他、政治的論説に関心がある層に対するオーディエンスターゲティングや、一度YouTubeチャンネル上で動画を見たユーザーへのリマーケティングなどの施策も行いました。

 

グーグルの Brand Lift 調査で広告想起率+357%を記録

この広告キャンペーン効果を正確に素早く計測するために使用されたのが、グーグルのブランドリフト調査サービスです。

それによると、YouTube広告がもたらした直接的な効果だけで、広告想起率+357%、ブランド認知度+125%の成果を出し、さらにキャンペーン中のWEBサイトのトラフィックは14%もアップしました。

Zahaoはこれを受け「最小限の予算でブランドリフトに関する深い知見を得られました。bumper 以外にポピュラーな6秒スキップ無しの配信が可能なネットワークを私は知りません」とコメントしています。

 

#出展:https://www.thinkwithgoogle.com/case-studies/libertarianism-org-spreads-brand-awareness-with-youtube-bumper-ads.html より翻訳・抜粋

 

まとめ:短尺動画広告、効果的な活用のヒント

6秒という短い動画尺でメッセージが伝わるのか?という心配はbumper adsを実施する場合の懸念点としてありました。

ですが、政治団体など情報量の多いブランドであってもあえて短いメッセージ(本事例では「 WHAT IS LIBERTARIANISM 」)のみを入り口に打ち出すことで中程度〜無関心層の好奇心を刺激するような狙いも可能なフォーマットであることが分かりました。

bumper ads は短尺な分、接触回数や頻度などリーチを積みますことが可能なメニューであり、それによってリターゲティングやクリエイティブの出し分けなど運用面での改善施策も展開しやすくなっているようです。