360°動画か、4Kか サントリーとアサヒの桜映像勝負
進化を続ける動画の撮影技術
動画の撮影技術は今、360°動画やVR,プロジェクションマッピングや、4K、8K映像と多岐にわたっています。
2016年は3月にオキュラス・リフトの発売、10月にはplaystationからPSVRが発売されたりと、VR(virtual reality)が市場としては伸びるのではないかと考えられています。
しかし多種多様な映像・撮影の技術が揃う中で、どのような動画が最もユーザーに受け入れられるのかはケースバイケースです。
“桜”動画に対する2つのアプローチ
2016年春の「桜」をテーマにした大手ビール会社2社のプロモーション映像の違いを見てみましょう。
アサヒビールは福山雅治を起用するテレビCMキャンペーンでは美麗なグラフィックを用いています。
海外都市の大きな場所を確保、大規模にエキストラを配置し、都市を覆うほどの大量の桜吹雪など、非常に大掛かりな撮影方法です。
<(上)画面満杯に桜吹雪が舞うキービジュアルは、交通広告でも全面に押し出されていました>
一方で、サントリーが発売する「金麦」ブランドでは、まったく違った映像を打ち出しています。
「360度の桜に包まれる、金麦特等席」と題されたキャンペーンでは、
実際にある桜の景観を、上空より360°動画で撮影。
(参考:https://www.atpress.ne.jp/news/93052)
視聴者はさながら桜並木の上をゆっくり低空飛行するような感覚で、
前後左右に満面の桜を一望できます。
こちらは360°動画独特の湾曲がありますが、「桜を見る」という体験を再現する意味では、アサヒの映像の上を行っているのかもしれません。
表現したいメッセージによって異なる「動画」フォーマット
ビール市場でのブランド力では、圧倒的に1位のアサヒスーパードライ。そのブランドイメージの中核には、辛口な味を思い起こさせるソリッドなラベル・ロゴのビジュアルがあります。CMではそんなブランドイメージを映像の世界観にこれでもかと落とし込んでいます。
一方で味そのものよりも「飲む楽しさ」「飲むという行為」に近づこうとしている意志の見えるサントリー「金麦」。
異なったブランドの両者がクリエイティブを制作すれば、同じ「桜」をテーマにした動画でもアプローチや完成形が変わって来ます。
あなたはどちらの映像が良いと思いましたか?