メディア掲載 – ExchangeWire Japan

ExchangeWire Japanさんに「「ビューアビリティ・広告取引透明性のグローバル潮流を語る」-オムニバスイベントレポート-第1回」として、弊社が2017年3月に開催した第八回自主セミナー「最新計測ツールによるテクノロジー武装の方法」の内容が掲載されました。

http://www.exchangewire.jp/2017/05/26/news-moat-report-1/

後編も後日公開される予定です!

カリスマ編集長に聞くこれからのWEBメディア論〜テクノロジーからコンテンツの時代へ〜【セミナーレポート 後編】

セミナー概要:

デジタルと非デジタル、それぞれの視点を交えながら「今求められているメディアとは何か」を紐解くセミナーを開催。BRUTUSやVOGUE、GQなど数々の媒体で編集長を歴任し2016年にクオリティーメディア「Byron」をウェブ創刊された齋藤和弘様とネットメディア運営に精通するINCLUSIVE株式会社 代表取締役の藤田誠様に講演頂きました。

開催日:2017年2月21日 @中目黒(株式会社オムニバス本社)

講演内容:

「コンテンツ重視の時代に考えるこれからのWEBメディア論」(講師:齋藤和弘氏・藤田誠氏)
「動画コンテンツを流通させるためのマーケットプレイスVISM」(株式会社オムニバス)
パネルディスカッション

 

前編はコチラ

 

■WEBメディアで儲かるのは創業者と社長だけ?

斎藤 WEBと雑誌でコンテンツの作り方は変えていませんが、雑誌のコンテンツの作り方はもっと複雑かつ人やお金のかかり方がもっと多いです。なので、考え方は一緒でもお金のかけ方は全然違います。入ってくるお金がそもそも桁が1つ違うくらいなので、使えるお金もそれに比例して違ってきます。

例えば、WEBではみんなが同じようなレベルでライター費用とか編集費用とかをかけていますが、雑誌の場合はその「ランク」にも驚異的な差があって、画像1つとっても1流の写真家と3流のそれでは100倍くらいの違いになります。そしてその100倍も高い制作費用を賄えるだけのインカムは、WEBにはまだ無いということです。簡単に言うと、WEBメディアで儲かるのは創業者と社長だけです。残りの人は本当に少ない金額で蟻のように働いているじゃないですか。この何年間かWEBの世界を横から見ていて、こんなことでいいのか?と非常に感じていました。

 

藤田 ちなみにByronのライター費用は他のネット媒体と比較しても高くなっています。ライターとしてのレベルの高い人たちに、出来るだけ紙媒体と同じくらいちゃんとお支払いしたいと思っています。それというのは先ほどの斎藤さんのお話にもありましたが、この今の時代に90年代の雑誌の作り方が果たしてネット上で実現できるのかという挑戦なので、それをやってみたいと思っているからです。

創刊から約1年経ちこれがマネタイズできるようになってきました。「わかってくれる人だけ買ってくれればよい」というクライアント様が「わかってくれる人だけ読んでくれればよい」というByronに出会ったような感じです。

 

PVが倍増せずに広告料が倍増した理由     

斎藤 ハイエンドのブランド広告主と、日本のそれに対応するWEBメディアというのは非対称形になっています。つまりハイエンドブランドの広告出稿にふさわしいメディアの数が足りないんです。この状況は、私が現役のころだった7年ほど前からそうだったので、今はもっとそうだと思います。ハイエンドブランドのマーケッターにとってネット広告は「バジェットの5%、10%を使いなさい」という指示がブランド本国から出されるほどの重要課題であるにも関わらず、出稿に使えるだけの媒体が無いんです。使える媒体というのはつまり、一定以上のコンテンツのレベルを保った媒体ということです。

私は今、もうひとつファッション系のWEBメディアでコンサルを務めていますが、そこではこの2年間、ほぼ倍々ゲームで広告売上が上がって来ています。別にそのサイトのPVが2倍、3倍になった訳ではありません。コンテンツの質が同等以上のサイトが他に無いことで、結果的に入ってくる広告の量が2倍、3倍に増えてきているのです。

 

山本 これまでそういったWEBでの掲出先に困っている広告主さんって、経済系の媒体に出されていましたよね。おそらくそれも「他に出すところが無い」というのと同じ状態なのかと思います。

 

■ブランディングにコスパなど無い

藤田 僕らは媒体社の営業として動くこともありますが。狙っているターゲットによって「質」っていうものも変化すると考えています。例えば僕は東洋経済が大好きですし、つまり僕にとっての良い媒体ですけれど、他の人にとっても良い媒体であるか、質が高いと言えるかというとそうじゃないですよね。質っていうのは人によって違いますから、それに合致した広告がちゃんと違和感なくはまれば良いと思うのですが。その辺りの目利き力みたいなものを、広告主さんや代理店さんにはつけて頂けると良いのかなぁと。もちろんそれをちゃんと伝えるのも媒体側の仕事ですけれど。

山本 我々が感じる問題としては、WEB広告業界などに居るとすぐに「PV、クリック単価」という話になってしまい、広告が高く売れるイメージがあんまり無いところかと思います。そういう話もある側面では必要ですが、それはそれとして、いかに価値を高めるかという話との棲み分けも大事だと思います。

藤田 WEB広告という話よりも、広告主・代理店・媒体者という関係の中で、広告っていうのは広告主のマーケティング課題を解決するための手段で、さらにその中間KPIがクリック単価などの数値指標じゃないですか。なのでフォーカスするのなら最終的にはいかにクライアントの課題を解決するかという点にフォーカスした方が良いと思います。

斎藤 WEB上だと年間を通すとか、タームの長い広告が無い気がするんですね。通常、雑誌でハイエンドブランドの広告出稿の話をする場合、最低でも6カ月単位なんですよ。下手すると1年単位で話をします。そういう長い期間の中で、総額いくらで、ページ数がいくらで、と決めていきます。これはどちらかというとオフィシャルスポンサードに近い考え方ですよね。でも、WEB広告ではこういう話をほとんど聞きません。

斎藤 オリンピックのスポンサー契約みたいなことをやればいいんですけど、なかなかできない。それはなぜかというと、そのメディアが、集客(PV)は日によって出たり入ったりすると思いますけど、誰に対してどんな意図があるのか、何をどうするのかっていうのが明快に見えないんですよ。そこが無いまま他とも違わずにいると、あそこもあればここもあるっていう横並びにしか見えない。そしたら年間スポンサードのような契約をしなくても、いちばん数字の良いところにすればいいじゃん、という話になってしまう気がしますね。

クライアントもお金を出して広告を載せるっていう意味で、ある種参加をします。その「参加」っていう意識が弱いと、広告を見てもらったかどうか、クリックされたかどうかという、、、

山本 アドテクノロジーの悪いところで、Excelで、このメディアのクリックレートはこうだ、みたいな。ああいう世界になっちゃうんですよね。どこのメディアに参画しているかっていうよりも、パフォーマンスを買っているっていうか。

斎藤 コスパで考えるとダメなんです。コスパで考え始めちゃったら、ブランディングなんて絶対できません。

藤田 特にByronではタイアップを意識していて、タイアップっていうのはByronの世界観と、クライアントの世界観をくっつけるからタイアップなわけで、一緒になるとどういうことが出来るのか、普段の記事よりも面白く作らないといけないし、腕の見せ所だと思っています。そういう意味で、ネイティブアドっていうのはどう考えるんだと。あれは誘導枠として媒体社に入るわけで、クライアントさんが誘導した先にあるオウンドメディアっていうのはつまりどういうメディアブランドにしていかないといけないのかを考えていかないといけないですね。

 

■生半可な気持ちでのオウンドメディア運営は「おこがましい」

山本 今年、日本のブランドマーケターが一番取り組みたい施策は何か?っていうアンケートで「オウンドメディア」が1位になったことがあって。ここはどういう風に成功させたらいいのかなと。

斎藤 私には専門外なので分からないことは多いですが…でも、自分のところでメディアが作れると思っているブランドマネージャーはおこがましいんじゃないですか?メディアに出稿した経験こそあれ、メディアを作った経験はないのに、オウンドメディア=つまり自分たちのメディアを作ってそのプロデュースやディレクションなんか出来る訳がないんです。そういう意味で「おこがましい」。もうちょっと謙虚に、堅実に。良いライターからテクニカルな人材から流通を組み立てる技術者から、すべて集めてきてひとつのチームにするしかないと思います。その時にオウンドメディアが、自社のメディアとして、ほかの競合会社のオウンドメディアとどう違うものに育てていくのかは、コンテンツにお金をかけるしかない。そこで最終的に欲しいのはおそらくマーケティングデータな訳だから、そこはテクノロジーが必要ですが、コンテンツがかなりしっかりしない限り、生半可なものでは「でもこれってあの会社が作った記事でしょ?」でユーザーにとっては終わってしまって、意味がないと思います。

藤田 今のは斎藤さんの「Byron 編集長」としての考えですよね。僕が思うのは、普通に毎月150本~300本くらいの記事を作っていると思うんですね、どの媒体さんも。自分たちの属する限られたジャンルの中で、さらにものすごく頑張ってそれだけコンテンツ制作されている。オウンドメディアっていうのは、平均的にどのくらいでしょう?月に多くて8本くらい、または週に1本で月4本くらいの制作量だと、世界観っていうのはなかなか作るのは難しいんじゃないかなぁと思います。「オウンドコンテンツ」とは確かに言っても良いかもしれませんが、オウンドメディアとまでは言わないほうがいいんじゃないか、という気もしています。

山本 企業のメディアの場合どのくらいの記事を書くのが良いでしょうか?

藤田 普通にメディアとして運営したいんだったら1日2~3本は出していかないと、訪問して貰えないというか、何度も見てもらえる、日常のローテーションの中に入らないんじゃないでしょうか。そうしないと、集客のために広告で誘導をかけるだけの場になってしまいますよね。

山本 ありがとうございました。

〜セミナーではこの後会場の皆様からの質疑応答を行いました。ご興味のある方はぜひお気軽に下記までお問い合わせ下さい〜

本件に関するお問い合わせ:
株式会社オムニバス  セミナー担当  藤本
TEL: 03-5725-8317  MAIL: info@e-omnibus.co.jp

カリスマ編集長に聞くこれからのWEBメディア論〜テクノロジーからコンテンツの時代へ〜【セミナーレポート 前編】

セミナー概要:

デジタルと非デジタル、それぞれの視点を交えながら「今求められているメディアとは何か」を紐解くセミナーを開催。BRUTUSやVOGUE、GQなど数々の媒体で編集長を歴任し2016年にクオリティーメディア「Byron」をウェブ創刊された齋藤和弘様とネットメディア運営に精通するINCLUSIVE株式会社 代表取締役の藤田誠様に講演頂きました。

開催日:2017年2月21日 @中目黒(株式会社オムニバス本社)

講演内容:

「コンテンツ重視の時代に考えるこれからのWEBメディア論」(講師:齋藤和弘氏・藤田誠氏)
「動画コンテンツを流通させるためのマーケットプレイスVISM」(株式会社オムニバス)
パネルディスカッション

 

前編:「PVUU、バズを無視したByronWEBメディアブランド論」

 

藤田 誠氏:INCLUSIVEという会社をやっておりまして、「メディアエンパワーメントパートナーズ」=メディアの持続可能な運営を支援することをメインに、メディアの運営・収益化の支援、広告事業、アドテク関連のソリューション提供、メディアブランディング事業等を行っています。2007年に会社を設立し、これまで手掛けたメディアは約50以上ございます。

ギズモードなどのメディアが「それブログですか?」と質問されるような時代に、「これからはこういうものがメディアとして信頼性が高くなるんですよ」という営業も経験してきました。

他にもメディアの構築と運用という形で、ゼロからメディアを作ることにも挑戦させて頂いております。雑誌媒体様やテレビ局様などと協力させて頂きながら、メディアの開発、そこで必要な編集者の育成まで行っております。

このような形でメディアビジネスを展開させていただき、非常にたくさんのメディア、特にPVを追いかけることについて努力している会社です。ただ、昨今これだけメディアの数が増えてきている中で、果たしてそれだけでよいのか、という課題感のもと立ち上げさせて頂いたのが、Byronでございます。ではここから斎藤和弘様にバトンタッチさせて頂きます。

 

■ほとんどの人がSNSをやってないことに気づこう

齋藤 和弘氏: Byronというウェブメディアを作りました斎藤です。Byron立ち上げの背景について、先ほどの藤田さんのお話もありましたが少し補足させて頂きます。

たぶん皆様もそうだと思うのですが、世の中の人がみんなFacebookやインスタをやっていると思っていませんか?特にこの業界はそう思っている人が多いと思います。みんなやっているし、みんなそこで発信していると思っている。ところがほとんどの人は実際にはやっていません。そこにまず気づきましょうというところからこの話は始まります。

 

もう少し言うと、デジタルやWEBは極めて民主的で数がすべてという世界です。そうすると何が起こるのかというと、つまらないコンテンツが蔓延する。当たり前の話なんです。これが嫌で嫌で。私もFacebookはずいぶん前からアカウントは持っていますが、投稿・発信は年に1度くらい。自分の誕生へのお祝いにお礼を返す投稿をするくらいです。でもたぶん、そういう使い方の人がたくさんいらっしゃる筈なんです。

なんでそうなったのかというと、やっぱり本当に読むべきものというか見るべきものがありません。最近Facebookはほとんど動画になって来ていますがそれでも同じで、「こんなものをみんなは見続けているんだ」と思うと「世の中は今後どうなるんだろう」という風に思った次第です。

そういう話を藤田さんにしたら、引っ掛かったらしくて、「何かやりましょう」という話になりました。ではいざやるという時に、私が藤田さんに出した条件は

・独断と偏見でやります

・数は求めません

・マネタイズは私はしません

というものです。普通こんな条件を出されたらWEBの人は「じゃあ辞めます」となるんですが、なぜか藤田さんは奇特な人で「やりたいです」と仰っていただきました。ですのでByronというメディアでは基本的に数を求めていません。数を求めずにどうやって成立するのかというと「数を求めないところ」の広告をとればいいじゃないか、という話です。

 

■マスを無視してもWEBメディアのブランドは成立する

実際にどうしているかというと、Byronで書いている人はみんな私の昔の知り合いです。1990年代頃の「BRUTUS」で書いていた人たちなどを大量にアサインしています。その時代の人たちが何をしてきたかというと、自分の作るコンテンツというものにある種、命をかけていました。命がけで好きなことをして、文章を書いていたんです。

そういう人だけを集めて、その人たちがやりたいことをやりましょうと企画しました。ただしここでも1つだけ条件があって、「コンテンツのレベルを普通の人にわかるように絶対に下げないでください」。つまり「みんなが分かるというコンテンツにはしないで欲しい」とお願いをしました。みんなが分かるような民主的なコンテンツの制作をやった瞬間に、おそらくByronは他のメディアと変わらなくなってしまうと思ったからです。

ブランディングにとって重要なのは自分たちがどうやって「唯一無二」であるかを証明するしかないのです。そのために他と違うことを延々とやる。他と違うということは数はとれません。しかし数は取れなくても、他と違うということでそれはブランドになるのです。

世の中にはたくさんのブランドがありますが、いわゆるマスプロダクトを扱うブランドがある一方で、そうではないブランドもたくさんあります。私はファッションというものに10何年も関わってきたので、いわゆる「ラグジュアリー」「ハイエンド」なブランドに良く知っています。

ハイエンドブランドというのは最初から、世の中全員の人などは相手にしていません。対象にしている顧客は全人口のおそらく1%くらいです。だからその1%だけにどう刺さるかだけを考えれば良いんです。マスを相手にしなくとも成立する世界。それってWEB上でも可能なのではないか?というのが私の出した仮説でした。

この場合のブランディングで一番大事なことは、自分たちが他のどこよりも優れているということを自分たち自身で発信し続けないといけないということです。ビジネス的なベンチマークとしては「単価が一番高いもの」がブランドだと言えます。メディアの場合、広告の単位当たりの価格が一番高いものです。

そうやって考えると、WEBメディアの場合、PVやUUというのは多ければ多いほど、単価が下がっていきます。だからPVやUUというのは、トータルで貰える金額さえしっかりしていれば少なくていいんです。

 

話をByronに戻します。この「マスを相手にしなくても単価の高さでWEBメディアのブランドは成立する」という考えの元に創刊したByronは、おかげ様で広告も入るようになりました。

このByronに書いてあるネタというのは、私も本当に読みたいという内容です。何割かはつまんないと思うものもあるものの、「何を書いてもいい」といった中でこれだけの内容が揃っているのは私自身もすごいと思っています。

一般的には何の役にも立たないし、全員の共感なんか得ませんが、ある部分の人には極めて刺さる。そういうものを作ることで、WEBでもメディアの(ハイエンドの)ブランディングは可能ではないかと思っています。

–後編はコチラ

本件に関するお問い合わせ:
株式会社オムニバス  セミナー担当  藤本
TEL: 03-5725-8317  MAIL: info@e-omnibus.co.jp